煮しめやうま煮、筑前煮など、
煮物の呼び名って色々ありますよね。
そのほかにも
煮しめや含め煮、筑前煮などいろいろな煮物があります。
ここでは、一体何が違うのか、
どんな由来があるのかを説明します。
料理好きな人は、ぜひ覚えてみてくださいね!
煮しめ、筑前煮って何が違う?
煮しめや筑前煮は、一体どんな違いがあるのでしょうか?
それぞれの由来も含めて紹介します・
・煮しめ
煮しめとは、レンコンやニンジンなどの根菜や芋、こんにゃく、
油揚げなどをじっくりと時間をかけて煮込んだ料理です。
煮汁が残らないように煮しめることから、
この名が付きました。
ちなみに、関東では濃い目の味付けですが、
関西ではダシの効いた薄味で作られます。
お正月のおせち料理にも入っていますね。
・筑前煮
筑前煮は、材料となる根野菜や鶏肉などを煮る前に炒めます。
そのため、炒り鶏(いりとり)とも呼ばれているんですよ。
元々は、福岡県北部や、
西部などの筑前地方で作られた郷土料理であったことから、
筑前煮と呼ばれるようなりました。
なので、違いは
汁の量、煮る前に炒めるかどうか?
というところにあります。
また、筑前煮は方言ではなく料理名です。
後述しますが、
筑前煮の方言は「がめ煮」となります。
他の煮物もおさえたい!
うま煮、煮付け、含め煮、がめ煮…内容は?
・うま煮
材料は煮しめとそれほど変わりませんが、
みりんや砂糖を多めにして、割と甘めの味付けで煮ていくのが特徴。
この料理は『旨煮』と表記することもあり、
よく煮込んで旨味を引き出して作ることが由来とされています。
ちなみに、中華料理の八宝菜のことも、
うま煮と呼ぶ場合があるんですよ。
・煮つけ
煮つけとは、少なめの煮汁で、
具材をこってりと甘辛く煮ていく料理のこと。
主に、カレイやキンメダイ、
かぼちゃなどの具材を単品で煮る時などの調理法ですね。
元々、『煮つける』という言葉は、少ない汁で煮るという意味です。
つまり少ない汁で煮ることから、
煮つけという料理名にもなりました。
・含め煮
含め煮とは、根野菜や栗などの具材をたっぷりの煮汁で、
柔らかくなるまで煮ていく料理。
味付けも、まるでおでんのような薄味が特徴です。
たっぷりの煮汁でよく味を具材に含ませることから、
含め煮という名前が付きました。
・がめ煮
がめ煮とは、筑前煮のこと。
筑前地方の地元民だけが、
筑前煮のことをがめ煮と言うんですよ。
博多の方言で、色々なものを寄せ集めることを『がめくる』と言うため、
色んな具材を使った煮物を『がめ煮』と呼ぶようになったのが、
由来の一つとされています。
煮物の「煮るor炊く」
表現の違いはどうして生まれる?
煮物を作る時、『煮る』と言いますか?
それとも『炊く』と言いますか?
実は地方によっては、
煮ることを『炊く』と言う場合があるんですよ。
主に東日本では具材を煮込むことを『煮る』と言いますが、
西日本では煮ることを『炊く』という人が多いんです。
例えば関西では、稲荷ずし用などに甘辛く煮た油揚げのことを、
『油揚げの炊いたん』と言ったりするんですよね。
『炊いたん』とは標準語だと、『炊いたもの』という意味です。
つまり、炊くとは西日本の煮るの言い方ということなんですね。
なぜ地方で『煮る』の言い方に違いが生まれたのかというと、
『炊く』という言葉はそもそも、食事を作る事を意味する言葉です。
時代が変わるにつれて、だんだん『炊く』という言葉が使われなくなり、
『煮る』の方が定番になってきたんですね。
でも、関西を中心に、西日本では昔のまま、
煮ることも『炊く』と言う風習が残っているとされています。
ちなみに、東と西に関わらず、ご飯は『炊く』で統一されています。
まとめ
煮物の違いは以下の通りです。
・煮しめ … 煮汁が残らないようにじっくり煮込んだもの
・うま煮 … 甘めの味付け
・筑前煮 … 野菜と鶏肉を炒めてから煮たもの
・煮つけ … 少ない煮汁で、キンメダイかカボチャを単品で煮るもの
・含め煮 … 薄めに味付けしたたっぷりの煮汁で煮込むもの
・がめ煮 … 筑前煮のこと。博多の方言。
ただし、各家庭や地方によっては、呼び方や具材、
味付けなどが異なる場合もあります。
こうして見ると、本当に色んな煮物料理があるんですね。
味付けや具材をアレンジして、
オリジナルの煮物を作ってみるのも良いですね!