お祝いの席で、日本酒が入った酒樽を叩き割ることを鏡開きといいます。
でもなぜ祝い事があると、
日本酒が入った酒樽をみんなで叩いて割るのでしょうか?
また、鏡開きをする時の掛け声や作法って、
一体どんなものなんでしょうか?
今回は、結婚式やお正月でもお馴染みの、
鏡開きの作法について、詳しく解説します。
正月の鏡開きで酒樽を割る・・・掛け声や、作法って?
お正月の鏡開きといえば、鏡餅を叩いて割ることですが、
酒樽を叩き割って、日本酒をみんなで飲む、というのも、
鏡開きというんですよ。
その昔、武士が戦に出陣する前に、
兵たちの士気を上げて、鼓舞するために、
酒樽を割って清酒を振舞ったのが由来とされています。
また、お正月に酒樽を割ってみんなで飲むという行為は、
樽を開くことによって、その年の運を開ける、
という意味もあるんですよ。
お米から作られる日本酒って、
日本では昔から神聖なものとされているため、
神様にお供えしたり、祝い事があると、
お酒を酌み交わすという風習が根付いているんです。
ちなみに、酒樽のフタのことを『鏡』と呼ぶことから、
それを開くための儀式として、『鏡開き』と呼ばれるようになりました。
お正月に鏡開きをする時の作法ですが、
3~4人で木づちを持ち、フタを一斉に叩いて割ります。
叩き割るのは必ず木づちで、
掛け声は、『せーの!』を合図に、
『よいしょ―!』とみんなで声をあげます。
地域によっては、『よいしょー!』の回数は1回だけだったり、
3回だったりするので、開ける前は必ず、
みんなで掛け声の打ち合わせをしておきましょう。
鏡開きの時、なるべく大きく掛け声をあげると良いですよ。
掛け声は大きい方が、運が開けるといわれます。
そして、フタが開いたら、
升(ます)などにお酒を移して配って、
全員で頂きましょう。
ところで、鏡開きをすると、
酒樽のフタって、いとも簡単に割れますよね。
実は、木づちで軽く叩いて開けるため、
予め酒樽は開封されているんです。
まず、酒樽が酒屋さんなどから届いたら、
酒樽を包んでいる太い縄を切っておき、
フタを締め付けている竹の輪っかを緩めます。
次にフタに付いている栓を抜いて、
フタを引っ張り上げて取り外してしまいます。
すると、取り外したフタは、
左右に引っ張ると簡単に3等分に割れるので、
一度フタを解体してしまいます。
分解したフタは、少し緩めにもう一度組み立てておいて、
再び酒樽に被せておくんです。
そうすると、鏡開きをする時に、
木づちで軽く叩いただけで、簡単にフタがあけられるんですよ。
つまり、
酒樽をそのまま木づちで叩いただけでは、
鏡開きが出来ない、
ということですね。
ちなみに、フタを開けて鏡開きの準備をするだけでも、
約30分はかかります。
酒樽のフタを開ける時の詳しい手順は、
下記のURLから確認できますので、参考にどうぞ。
http://saka.naniwamasamune.com/product/open.htm
結婚式でも鏡開きをする・・・作法に違いはある?
鏡開きって、結婚式でもしますよね。
お正月に鏡開きをする時と、
何か作法に違いはあるんでしょうか?
基本的な作法はお正月の時と変わりません。
何人かで木づちを持って、
『せーの!』と『よいしょー!』の掛け声で開ける、
ということも同じです。
ただし、結婚式で鏡開きをする時は、
木づちに紅白リボンなどを付けると、
華やかさが増しますよ。
また、まるでケーキ入刀のように、
新郎新婦の二人だけで、酒樽のフタを叩いて割る、
ということをしても良いと思います。
ちなみに、鏡開きをすると、中のお酒が周りに飛び散るので、
衣装が濡れることも覚悟しておきましょう。
でも鏡開きは、すごく縁起が良いことなので、
新郎新婦の門出を祝うには、とてもおすすめのプログラムですよ。
まとめ
酒樽を叩き割る鏡開きは、これから先、
開運でありますように、と祈願の意味を持つ儀式です。
作法は、3~4人程度で木づちを持ち、
『せーの!』から『よいしょ―!』の掛け声で、
フタを叩いて酒樽を開けます。
結婚式の時も、基本的な作法は変わりませんよ。
ただし、先に一度フタを開けておかないと、
いくら叩いても、鏡開き出来ないので、
必ず下準備をするのを忘れないようにしてくださいね。