8月23・24日の両日、長崎県佐世保市江迎町では「千灯籠」が開催されます。
元は500年続く「水掛地蔵祭り」なんですが、今は千灯籠の方が通りがいいですね。
町中に約1万もの提灯を飾り付け、昼間は水掛地蔵の御くだり、夜は各種イベントに花火と、午後から夜まで盛りだくさんなお祭りです。
狭い町なんで、あちこちにイベント会場がありまして、飾られた提灯にそってそぞろ歩きしてるとなんかイベントに当たるって感じです。
通りに沿ってたくさんの屋台が並び、地元の商店街の出店も並び、見ているだけでも祭りらしい雰囲気が味わえます。
午後1時、水掛地蔵の御くだりの始まりです。
地元の子どもたちがお地蔵さまの神輿を担ぎ、近くの川に運び入れます。
川では子どもから大人までお地蔵さまを待ち構えていて、神輿が川に入るとお地蔵さまを十重二十重に取り囲みます。
ほら貝の合図とともに、周りから一斉に水を掛ける!掛ける!掛ける!
500年の歴史を持つ水掛地蔵祭りの開幕です。
水掛地蔵祭りは パンツまで濡れてこそ!!

年に一度の水掛地蔵祭りを思い切り楽しむために、着替えを一式(靴まで)用意することをオススメします。
神輿に連なって地元の人たちが練り歩きます。
地元の人って言ってますが、けっこう誰でも参加できます。
子どもたちには近くの公民館で法被も貸してくれるし。
神輿について歩いていくと、沿道から水がバンバン飛んできます。
バケツ水あり、ホース水あり、神輿が踊るポイントでは消防のポンプ車出てきますからね、頭の先からつま先までびしょ濡れ。
たいがい残暑厳しい時期ですから、思い切って濡れちゃった方が断然気持ちいいですよ。

中にはベビーカーでの参加って方もいます。
ポンプ車のところだけちょっと気を付ければ(ちょっとした集中豪雨並みなので)、あとはシャワーみたいなものですから、お座りできるくらいの月齢ならけっこう楽しめそうです。
ただ、ベビーカーはものすごく濡れますよ?
あとあと大変なので、水対策をするか、抱っこでどうぞ。
子どもの中には服が濡れるのを嫌がる子がいます。
その場合は下に水着を着せておくのもいいかも。
話を聞いているときには「濡れるの嫌―」って言ってたくせに、見てるうちにうずうずしちゃう子もありがち。
念のために家族全員分の着替えを用意しましょう。

お地蔵さまの道行きは商店街を行きます。
距離はそれほどないけど、ゆっくり歩いていくのと、途中で神輿が踊るので、片道30分強の道行きとなります。
お手洗いが心配な方、いらっしゃいますか?
沿道に公衆トイレがありますし、コンビニやバスのターミナルなどでも借りることができます。
この2日間はどこのお店でも「水浸しの人が入ってくる」ことが前提になっていますので、子どもが急に「おしっこ!」とか言い出しても安心。
「トイレ濡らしちゃってすいません」って言えば「祭りですから!」ってお店の人から笑顔で返ってきますよ(笑)
田舎の祭りは 人情も見どころ

田舎の祭りなんで、子ども連れにも優しいようです。
子どもにはよく声もかけるし、もともとお地蔵さまは子どもと遊びたいんですからね、子どもに優しくしなくてどうする?って感じですが。
沿道の方も、神輿には遠慮なく水を浴びせるし(たいがい担ぎ手が中高生なので)、中には氷水用意しているところもあったりしますが、ワタシが以前4か月の次男を抱っこして参加した時には、ずいぶん遠慮して掛けてくれました。
今回も見ていると、赤ちゃんや2~3歳の幼児には、おしめり程度に掛けてあげていたようです。
いきなりバッシャーンだとびっくりして泣き出す子がいますもんね。
とは言え、なかなかハードな道行き。
道も狭いし、人出もかなりなものです。
ベビーカーではちょっとキツイかも。抱っこの方が安心な感じがしますね。
坂の町・長崎、あちこちに散らばったイベント会場に行くには、階段か坂道を上り下りすることになります。
赤ちゃんを連れての水掛地蔵祭り・千灯籠まつりは、ベビーカーと抱っこひものハイブリッドで行きましょう。
千灯籠まつり本番。

午後1時からの水掛地蔵祭りが終わったら、千灯籠まつり本番。
町内のあちこちでイベントが同時進行的に始まります。
毎年新しい企画があったり、恒例企画が盛況だったリと、なかなかに見どころ満載。
今年は「ドローンレース」なるものが、観客参加型の新企画として開催されました。
実はワタシ、MYドローン持ってるんですよ、そこそこのヤツ。
動画や写真も撮れちゃうヤツ。
もうね、すっげぇ難しいの!!まともにまっすぐ飛ばないの、室内なのに!!
千灯籠のドローンレースは屋外、しかも台風の影響が懸念されますなんて言われてた日ですから、まぁ風が強い。
かなり面白いことになったようです。
町内にはステージが設置された会場が2つ、店舗などの駐車場を使った会場が少々、車をシャットアウトして歩行者天国状態になった通りがいくつかと、あちこちに会場が分散しています。
事前にプログラムを入手しておいて、見たいイベントや参加型のイベントなどをリストアップしておくと良いかと思います。
坂道・階段多いですから、徒歩で回るのはちょっと時間がかかりますよ?
移動時間は多めに見積もっておくのが吉です。
よさこい踊り会場は花火の穴場!浴衣美人と灯籠と

恒例企画としては、夕方から夜にわたって行われる「よさこい踊り」と「浴衣の女王コンテスト」。
よさこいは、通りの一筋を使って、近隣の市町村から集まったチームが華やかな踊りを繰り広げます。
ほぼ毎年、決まった場所で踊るので、見物はアタリが付けやすくていいですね。
決まった区間を、1チームづつ3~4回繰り返して踊っていくので、中間地点にいれば左右どちらから来るチームも見れることになります。
往路は小学生チーム、復路は中学生チーム、2度目の往路は社会人の地元チーム、復路は近隣の踊り隊…と、踊る面々もバラエティー豊か。
見物のちっちゃい子が、なんとなく踊りだしちゃうのもまたかわいらしいです。
よさこいは音楽を大音量で流しながらの道行きになるので、赤ちゃん連れにはちょっと刺激が強いかも。
赤ちゃん連れで踊りを見たいなら、おまつり広場でのステージ演舞の方が安心です。
全踊り隊が集まりますし、総踊りまでありますよ。
周りにはちょっとだけど屋台も出てるしね?

よさこいをおまつり広場で見るもう一つの利点はですね、高いとこなんで、そのまま花火がきれいに見えるポイントだってことです。
さらに、日本一高い灯籠タワーがデンとそびえ立つ様は圧巻。
高さ25m、約3500個の提灯を飾り付けた灯籠タワーは、そのまま千灯籠のシンボルで、
「千灯籠」で検索かけると必ず出てくるものです。
夕方に提灯に火が入ると、ちょっと言葉を失うほどの幻想的なタワーになります。
おまつり広場入口にありますからね、ぜひ間近で見てください。
浴衣の女王コンテスト
もう一つの参加型企画「浴衣の女王コンテスト」は子どもの部・大人(女性:高校生以上)の部・ゆかたの夏男の部の3部構成。
事前エントリーが必要です。
大人の部グランプリは商品がハワイ旅行!しかもペア!!
浴衣の女王に選ばれた方は、市のPRなどで一年間活動するそうです。
2018年のグランプリは大村市の美人さんでした。
子どもの部でも大賞商品は5万円分の商品券です。お母さん大喜び。
6歳以上の子どもは参加OKなので、小中学生はぜひ!!
親子ペアでエントリーしてみるのもいいかもよ?
子どもの部と男性の部は賑やかし感がありますが、協賛に大きな冷菓会社ついてますから、来場するだけでアイスがもらえます。
浴衣の女王コンテストで、アイスもらって、美人とかわいこちゃんと夏男見て…あー、満喫ですね!
浴衣姿でアイス、最高よ?
お気に入りの浴衣を着て、家族でエントリーも楽しいかもしれませんね。
グランプリ取れなくても、アイスもらえるし、バッチリ(笑)
でも、数量限定なので、ちょっと急いで行きましょう。
佐世保市江迎町の千灯籠花火を見るオススメスポットは?
千灯籠両日ともに、最後を飾るのは花火。
打ち上げ花火に仕掛け花火と約30分にわたって空を彩る花火は、小規模ながらも迫力があります。
会場と発射場が近いんですよ。多分町の中心部から300mくらいの地点で打ち上げてる。
お祭り広場からも花火発射場見えちゃうんじゃない?って勢いです。
町の中心部からだと、ほぼ真上に上がっていくので、「首イタイ…」ってなりがちではありますが、橋に仕掛けられた仕掛け花火も見れますから捨てがたい。
打ち上げ花火のみを目当てにするにも、仕掛け花火やってる時のタイムラグが寂しい。
なかなか悩ましいですね。
小さい子ども連れなら、ワタシは仕掛けをあきらめて、高台にある会場から打ち上げ花火メインで見ることをオススメします。
発射場が近いので、風向きによっては煙が流れて来たり、灰が飛んだりします。
また音がね、大きいんですよ、お腹にビンビン響いてくるような重低音きますからね。
娘が4歳のころ花火見に行ったんですが、始まって5分後には帰路についてました。
音がコワイって泣きが入っちゃって。
大きな音が平気な子は、音まで楽しめると思いますが、ちょっとビビりな子は離れた場所から見た方がいいです。
会場になってるとこには公衆トイレもあるので安心ですしね?
お祭りの由来:水掛地蔵のお話
水掛地蔵が安置してある寿福寺では、12時40分頃から水掛地蔵のお話を、紙芝居で聞けますよ。
せっかくなので、水掛地蔵の由来を聞いてみるのも一興です。
昔、川の近くに安置してあったお地蔵さまを、夏の暑い日に川で遊んでいた子どもたちが「お地蔵さまも暑そうだから、一緒に水浴びをして遊ぼう」と、川に運んで水をバシャバシャ掛けました。
すると、近くを通りかかったお侍さんが、子どもがお地蔵さまにいたずらをしていると思い、「そんなことをしていると罰が当たるぞ!」と、子どもたちを叱りつけ、お地蔵さまを子どもたちの手が届かないところに安置してしまいました。
その夜、お侍さんは原因不明の病に倒れ、熱に浮かされ、うわごとを語ります。
「わしをこんなところに閉じ込めおって…わしは子どもたちと楽しく遊んでおったのに…わしは子どもたちが大好きじゃ、また一緒に遊びたいのじゃ…」
看病していた人は、お地蔵さまの障りだと思い、翌日お地蔵さまを元の場所に戻して子どもたちに川で遊ばせました。
お侍さんの病はたちどころに癒えたということです。
その後、近くのお寺にお地蔵さまは安置され、年に一度、8月23・24日に子どもたちに連れられて水遊びをし、町へ繰り出し、町の人たちも神輿のお地蔵さまに水を掛け、一年間の息災を願うようになりました。
お祭りに参加するなら、由来も知っておくのも良いですよね。
おわりに

水掛地蔵祭りと千灯籠、いかがでしたか?多少なりとも祭りの雰囲気は伝わりましたでしょうか?
田舎の小さな町の祭りです。古き良き日本って感じで、観光客にも子どもにも優しい町です。
来年の水掛地蔵祭りと千灯籠にはぜひ足をお運びください。
水掛用の着替えを忘れずにね?
千灯籠が終わると、朝晩に秋の気配が漂いだし、夏が終わっていきます。
去りゆく夏を惜しみつつ、お地蔵さまは社に戻ります。
子どもたちがまた遊びに連れて行ってくれる日を待ちつつ…また来年の夏に。