着物って華やかで憧れるものですが、
着付けの仕方も難しいしお手入れや
小物類もたくさんあって名前も覚えにくいしで、
なかなかとっつきにくいですよね。
振袖と留袖の違いぐらいは知っていましたが、
恥ずかしながら最近になって
「訪問着」というものがあることを知りました。
フォーマルからイベントごとまで
使用用途の広い訪問着、留袖には
末広は欠かせませんが、訪問着の場合は
どうされていますか?
和装に欠かせない
「扇子」についてまとめてみます。
そもそも扇子は必要?差し方は?作法は?
最近では扇子にもモダンな柄や
おしゃれなデザインの物が増えてきましたよね。
暑い時にさっとおしゃれな扇子を
出して扇ぐのがおしゃれで、
夏には気軽に持ち歩く人も増えました。
ですが、
和服の場合の扇子ってそうはいかず、
色んなルールがあるので
何をどう持ったらいいのか微妙ですよね。
よく帯のところに扇子が差してありますが、
和服の場合扇子は必要なのでしょうか?
差し方や作法はどうなのでしょうか?
留袖の場合は必須
第一礼装である黒留袖や色留袖の場合は、
扇子(末広)は欠かせません。
セット販売やレンタルのセットなどを見ても、
必ず末広が含まれています。
では、訪問着の場合はどうなのでしょうか。
訪問着では必ずしも必要ではない?
調べたところ、訪問着の場合は
扇子は必須というわけではなく、
持つ持たないは自由みたいですね。
訪問着のレンタルやセット品も見てみましたが、
扇子は含まれていないことが多いですね。
お祝いの席では扇子はあった方がいい?
お祝いの席の場合は
「末広がり」の意味で扇子は縁起がいいので、
訪問着でも持っておいてもいいようです
新郎新婦との関係にもよるようで、
血縁関係が近い場合は金銀の末広をさし、
知人などの場合はなくても問題ありません。
本来お祝いの席での扇は
扇ぐためではなく挨拶の際の道具ですので、
使わない物ならいっそ持たない方が、
作法をわかっていると思われるかもしれませんね。
扇子の差し方
扇子を差すのは、帯の左側に差すのが作法です。
さらに詳しくいうと、前帯で帯と帯揚げの間に
差すのが作法とされています。
これは懐刀をイメージしたものであるためで、
抜く際にも手順が決まっています。
向きは、留袖用の金銀の末広の場合、
金色の側が見えるように帯に挟みます。
扇子の抜き方
扇子を抜いて手に持つ際にもルールがあります。
まず左手で抜き、抜き取る際には
右手を添えてそのまま柄を右手で持って
左手を下から添える流れが正式です。
「扇子」と「末広」どう違うの?
扇子と末広は形としてはほぼ同じものですが、
使用目的や形状に若干の違いがあるんです。
八の字に広がったその形状から
「末広がり」の意味で「末広」と呼ばれ、
結婚式などお祝い事などの
正礼装(第一礼装)を着る際に用いられるのが
末広です。
末広と普通の扇子の違いとは
どんな点なのでしょうか?
①絵柄
最近では和のテイストの雑貨が人気で、
クールビズや省エネの影響もあって
扇子が人気ですよね。
かわいくておしゃれな柄物も豊富ですが、
末広は柄はないんです。
末広の場合は表が金で裏が銀の
両面張りが正式なものです。
②骨の色
扇子は基本的に木目を生かした
ナチュラルな骨になっていますが、
末広の場合は基本的に黒色です。
黒留袖の場合は黒、色留袖の茶色や
朱赤骨を使用する場合もあります。
③使用目的
扇子は
暑い時に涼をとるために扇ぐものですよね。
ですが末広は扇ぐためには使いません。
閉じたままで使用し、留袖を着る際には
挨拶時以外には帯にさしたままで
手に持つこともありません。
なお、扇子にはお茶用の小型の物や
夏用の扇、不祝儀扇などがあります。
まとめ
和服って
色々と着方や作法があって難しいですね。
凛とした美しさが魅力的ですが、
こういった細かい作法まで意識しておかないと、
見る人が見たらすぐにばれてしまいそうです。
こういうきめ細かできちっとした文化が
日本人の精神に繋がっているのでしょうね。
とっつきにくいものではありますが、
ぜひ末永く受け継いでいきたいものですよね。